[メイン2] イフリータ : ▼山盛りの宿題
 夏やすみの宿題が山盛りだ。あさがおの観察日記、自由研究、なにもかも終わらない! このままではお母さんに怒られちゃう! そうだ、(助演)に手伝ってもらおう!

★キーワード
もう疲れた、真っ白な紙、苦手な勉強

[メイン2] イフリータ :  

[メイン2] イフリータ :  

[メイン2] イフリータ :  

[メイン2] イフリータ : 「……ああも~~!!疲れた!!!!」

[メイン2] アーニャ : イフリータの声が、室内で反響する。

[メイン2] アーニャ : 「お、おつかれ、さ、ま……がふっ」

[メイン2] イフリータ : 頭をぐしぐしと掻いて、真っ白な紙を前に、唸る。
悪夢みたいな状態だ。

[メイン2] アーニャ : 成績優秀者として知られるアーニャも何故か、グロッキー状態。

[メイン2] アーニャ : さながらゾンビのような姿だ。

[メイン2] アーニャ : そう、アーニャはイフリータに呼ばれ
夏休みの宿題のお手伝いをしていたのだ!

[メイン2] イフリータ : なぜか似た者同士のような二人になっている。
かたや成績優秀者、かたや勉強が苦手なイフリータ。

[メイン2] アーニャ : 不穏な空気を感じつつも、夏休みの宿題を終わらせたという自負の下
手伝うという流れにはなった……が。

[メイン2] アーニャ : ひろがる景色は、そう─────白。

[メイン2] イフリータ : 「うげ……アーニャ……ここ教えてくれ」

[メイン2] アーニャ : 「……イ、イフリータ!もうちょっと、がんば!」

[メイン2] アーニャ : 「……え゛」

[メイン2] アーニャ : まるで恐怖体験したような表情となるアーニャ。

[メイン2] アーニャ : 他人のものを盗んではいけない。
誰かが教えてくれた戒めが、今になって効いてくる。

[メイン2] イフリータ : わからないという厳しい現実の中。
プライドもなしに、アーニャに伝える。

[メイン2] アーニャ : そう、アーニャの宿題は、響子の脳内を覗いて
それをただ、写し取っただけに過ぎず。

[メイン2] アーニャ : 「そ、そこは、え、えーっと……」

[メイン2] イフリータ : 「……何だよその顔?
 あー、もしかして、答えは自分で見つけた方がいい……って奴か?」

[メイン2] アーニャ : にんじんは英語で?という問題であった。

[メイン2] アーニャ : ……カカロットォ……かな?

[メイン2] アーニャ : 「!? そ、その通り!」

[メイン2] イフリータ : イフリータも戸惑っているとは思えずに。
答えは自分でやりなさい────なんて、努力を求められていた。

[メイン2] アーニャ : イフリータの方を向き、うんうん!と激しく頷く。

[メイン2] アーニャ : 「やっぱりこういうのは!自分で頑張るべき!そーです!」

[メイン2] アーニャ : 自分にぐさぐさと刺さる。

[メイン2] アーニャ : スパイミッション、友達の悩みを解決するというのは、どこへ消えてしまったのやら。

[メイン2] イフリータ : 「うぇえ~~~……マジかよ……
 うぐうう……………」

[メイン2] アーニャ : そんな気持ちも、残響として存在しないくらいには、アーニャは大ピンチと言っても過言ではない状況であった。

[メイン2] イフリータ : 白い紙の、直線に黒い線が描かれていき────。

[メイン2] イフリータ : 「……やってらんねえええ~~~!!!!」

[メイン2] アーニャ : 「……………!!!」

[メイン2] アーニャ : 続いている時間の中─────。

[メイン2] イフリータ : イフリータが広げた手から────火が。
ドッキリな展開に息をつく暇もなく、自慢のカメラが、燃える。

[メイン2] アーニャ : 気付いたらそこにあるもの、それは、放火。

[メイン2] アーニャ : 「あっ…………」

[メイン2] アーニャ : 思わず、口に出てしまった、それを目撃してしまった。

[メイン2] イフリータ : 「………ッ!?」

[メイン2] アーニャ : ガーン!?どうしてこうなった……!?

[メイン2] アーニャ : 「あ、あわわわわわ!?!?火の海になる前になんとかしないと!?」
あわてて、水筒を取り出し、水で火を消すも。

[メイン2] イフリータ : 思わず、バッとカメラを手に取る。
……最悪な未来は訪れず、グロテスクにはならなかった。
取ってが少し融解し。

[メイン2] イフリータ : 「あっ……いや、サンキュ!」

[メイン2] アーニャ : 状況分析する。
………これって確か、イフリータが、隠していた……。

[メイン2] アーニャ : ちらりと、感謝を述べるイフリータの方を向き
ふんわり笑顔のつもり、ぎこちない笑顔。

[メイン2] イフリータ : まさに手で火を消そうとした。
しかし水のような存在によって、止められるが。

[メイン2] アーニャ : 「し、しししし、失敗は誰にでも、あるよー!!」

[メイン2] イフリータ : 「…………」
み、見られた……わけじゃない、よな?

[メイン2] イフリータ : 「あ、ああそうだな……!
 ま、まさか故障か、燃えるとか思わなかったぜ……」

[メイン2] アーニャ : 「…………み、見てないよー?ひゅ~ひゅ~」
口笛になってない口笛。

[メイン2] アーニャ : 「イフリータが火を出すところなんて、見てないよー?」
アホであった。

[メイン2] イフリータ : と、それぞれの大事なものである、カメラを手に取りながら。

[メイン2] イフリータ : 「…………!?」

[メイン2] アーニャ : それは、イフリータに静かな確信を植え付けるには、十分過ぎた。

[メイン2] アーニャ : 水のような存在、大汗が滝のように、アーニャの顔をだらだらと。

[メイン2] イフリータ : 嘘、だろ……?!……見えたとしても、すんなり受け入れるはずがない……。
……心が読めてて……わかってた、とか……?

[メイン2] イフリータ : 「……アーニャ、オマエって……」

[メイン2] アーニャ : 「………へ?」

[メイン2] アーニャ : ─────厳しい現実が。

[メイン2] アーニャ : それぞれの大事なものが、運命の歯車によって噛み合い、そして開かれていく。

[メイン2] イフリータ : 「……目、悪いんじゃないか?」

[メイン2] イフリータ : 真剣勝負────にはならない。
……そんなバカなことが、と思っていたから。

[メイン2] アーニャ : ……というわけでも、なかった!
ギリッギリのところで、セーフだった!

[メイン2] アーニャ : 「あ、あはははは!そーかも!!」

[メイン2] アーニャ : なんとか、このゲームは、オフタイムへと投入したのだった。

[メイン2] アーニャ : ……ギリギリのところで、崩れる日常は、なんとか平穏を取り戻す。
今日は、空が青かった。

[メイン2] アーニャ :  

[メイン2] アーニャ :  

[メイン2] アーニャ :